恋といふ
2006/06/07 (Wed) 07:04
昔 紀有常の所へ男が行ったところ有常が外出して
いて遅く帰って来たので 歌を詠んでやった
むかし紀の有常がりいきたるに歩きて遅く来けるに
よみてやりける
君により思ならひぬ世の中の
人はこれをや恋といふらむ
返し
ならはねば世の人ごとになにをかも
恋とはいふと問ひしわれしも
あなたのお陰で体験することが出来ました
世間の人はこのやうな感情を恋と呼ぶのでせう
私は経験がないので何を恋と呼ぶのか尋ねてきたが
その私の方こそあなたのお陰で今わかりました
それなのに私に教はっただなんて
恋にかけては あなたには敵ひませんよ
思ならひぬ = ここでは 経験して理解するの意
有常の娘は業平の妻です
紀有常のところへ行った男とは業平でせう
両方とも戯れの歌です


























