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12番 僧正遍昭

天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ
  をとめの姿しばしとどめむ


をとめ = 天女に見立てている
古今和歌集 雑歌(巻第十七) に載っています
  五節の舞姫を見てよめる 良岑宗貞 と、ある

良岑宗貞は遍昭の出家前の名。 六歌仙・三十六歌仙の一人
小野小町との逸話も。 小町と遍昭 (2005/08/14 掲載)
12番のこの歌といい、出家後の小町への返歌↓といい
プレイボーイだったのですねえ


よをそむく苔の衣はたゞ一重
  かさねばつらしいざ二人ねむ


出家後でも こんなことをサラッと言ってのけるところが
私は好きです
21番の素性法師は、遍昭 出家前に出来た息子。
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11番 参議篁

わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと
  人には告げよ海人の釣舟


わたの原 = 海
古今和歌集 羇旅歌(巻第九) に載っています
  隠岐の国に流されける時に船に乗りて
  出で立つとて京なる人の許に遣はしける
    小野篁朝臣 と、ある

篁には奇怪な伝説もあります
異母妹と結婚し、その妹が死んで幽霊となり
その幽霊にまた恋をしたとか・・
柳と蛙で有名な小野道風のお爺さん(叔父?)でもあります。

額田王と鏡王女

4-0488 8-1606
君待つと我が恋ひ居れば我が宿の
すだれ動かし秋の風吹く


4-0489 8-1607
風をだに恋ふるは羨し風をだに
  来むとし待たば何か嘆かむ


あなたには風が来てくれるの? いいなぁ
お姉ちゃんには風さへ来てくれないのよ

この二つの歌は万葉集の巻第四と巻第八に
ともにセットで載っています。
額田王が待っているのは天武天皇でしょうか

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10番 蝉丸

これやこの行くも帰るも別れては
  知るも知らぬも逢坂の関


これがかの有名な逢坂の関なんだなぁ
都から東へ行く人も都へ帰って来る人も
知っている人も知らない人も、ここで逢ひここで別れるといふ

行く・帰る 知る・知らぬ 別れ・逢ふ 対句が3つ使はれており
リズミカルで憶え易い歌ですね

蝉丸もまた謎の人・伝説の人と言はれています。
盲目で琵琶の名手であったとか。
「坊主めくり」では蝉丸を引くと「総取り」といって
引いた人以外の人は手持ち札を総て場に出します。
子供の頃に憶えたルールです。

9番 小野小町

花の色はうつりにけりないたづらに
  わが身世にふるながめせしまに


あの花もすっかり色褪せてしまったわ。 私みたい
ただ徒に物思いに耽っている間に 青春は過ぎ
老けちゃったのねぇ 私

うつりにけりな = 花が色あせた・自分の容色が衰えた
ふる = 経る(自分の年)・降る(長雨)
ながめ = 眺め、詠め・長雨

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8番 喜撰法師

わが庵は都の辰巳しかぞ住む
  世をうじ山と人はいふなり


辰巳=東南の方角 しかぞ=このように・かくのごとく ぞ=強調
人が言っているのは (1) 宇治山は憂し山で憂し所である
(2) 喜撰法師は世を儚んで宇治山に隠れ住んでいる
の2説ありますが、私は(1)+(2)だと思っています。

私にはこう聞こえます。
  私は宇治山に住んでいるけど、いい所だよ
  私はここで のんびり気持ち良く生きています

続きを読む▽

7番 安倍仲麿

天の原ふりさけ見れば春日なる
  三笠の山に出し月かも


天の原=空 ふり=接頭語 春日なる=春日にある
空の遠くを見遣ると月が・・・
あぁ あの月は今 故郷の三笠の山に出ているのだなぁ

安倍仲麿は中国(唐)に渡り日本には戻らなかった。

スコットランド民謡につけた日本の詞
  夕空はれて 秋風ふき
  つきかげ落ちて 鈴虫鳴く
  思えば遠し 故郷の空

ここは素直に望郷の歌として味わいましょうね

6番 中納言家持

かささぎの渡せる橋におく霜の
  白きを見れば夜ぞふけにける


7月7日 鵲という鳥が並んで天の川に橋を架ける
この橋を渡ったのは牽牛・織女の両説 (中国の七夕伝説)
さすがは家持、学があったのですねぇ

万葉集 巻第二十に七夕の歌八首として
20-4306 ~ 20-4313 があり、その後に
右、大伴宿禰家持、独り天漢を仰ぎて作れり
とありますが、この中に百人一首のこの歌はありません。
ここでナゾナゾを1つ。 七夕で詠はれる川は「天の川」
では次の7番で詠はれる原は?

続きを読む▽

5番 猿丸太夫

奥山に紅葉ふみわけ鳴く鹿の
  声きく時ぞ秋はかなしき


さ牡鹿が妻を恋い慕って鳴く声が悲しく聞こえる
それが当時の歌人の常識だったのでしょうね。

鹿といへば「さ牡鹿」、「さ牡鹿」といへば「秋萩」
万葉集には「さ牡鹿」と「秋萩」がセットになっている歌が
たくさん出ています。 さ牡鹿の「さ」は接頭語。

10-2094
さ牡鹿の心相思ふ秋萩の
  時雨の降るに散らくし惜しも

続きを読む▽

4番 山部赤人

田子の浦にうち出でて見れば白妙の
  富士の高嶺に雪は降りつつ


うち=接頭語  白妙の=真っ白な
万葉集に載っている歌とは全く異なっています。
昔の学者風な表現をするなら「ますらお」と「たおやめ」
万葉集=「ますらおぶり」なんだそうです。
万葉集ではこうなっています。

3-0318
田子の浦ゆ打ち出て見れば真白にぞ
  不盡の高嶺に雪は降りける


小倉百人一首の編者である藤原定家が改竄したのか
新古今和歌集の撰者の一人が改作したのか・・
定家も撰者の一人ではありますが。

このように1番から4番のどれもが
作者の作品でないいうのは、おかしな話ですね
「人」麻呂の次が赤「人」
「赤」人の歌は「白」妙

3番 柿本人麻呂

あし引の山鳥の尾のしだり尾の
  長々し夜をひとりかも寝む


あし引の=山にかかる枕詞
長ぁい夜を独りで寝るのか 侘しいなぁ
って そんな歌です。
山鳥の尾のように長ぁい長ぁい「夜」
歌の半分以上を「長ぁい」にかけています。

柿本人麻呂といへば次の4番 山辺赤人と共に歌の聖
素晴らしい歌が沢山あるのに
何故この歌が選ばれたのか不思議ですね
↓万葉集にはこんな歌が。人麻呂の歌ではありませんが

11-2802
念へども念ひもかねつあしひきの
  山鳥の尾の長きこの夜を


このすぐ後に「或る本の歌に曰く」として
あしひきの山鳥の尾のしだり尾の長き永夜を一人かも寝む
が載っています

続きを読む▽

2番 持統天皇

春過て夏来にけらし白妙の
  衣ほすてふ天の香具山


来にけらし=来たらしい  ほすてふ=干すという
(干すといはれている) ・・ということは
干してある衣を見て詠ったわけではないのか?
↓万葉集にある持統天皇の歌は実景を詠んでいるのに。

1-0028
春過ぎて夏来るらし白妙の
  衣乾したり天の香具山


持統天皇は天智天皇の娘。 1番では「衣が濡れて」
2番では「衣を干す」 なんと親孝行な娘さんだこと。

続きを読む▽

1番 天智天皇

秋の田のかりほの庵の苫をあらみ
  わが衣手は露にぬれつつ


かりほ=仮庵(仮小屋) 苫をあらみ=屋根を葺いている苫が
粗雑なので(粗いので) ぬれつつ=この場合は現在進行形

「つつ」の「現在進行形」は私的な解釈です。 続きを見てね▼
尚、万葉集の↓が元歌であるとの説も

10-2174
秋田刈る借廬を作り吾が居れば
  衣手寒く露ぞ置きにける

続きを読む▽

怨みごと

4-0643
世間の女にしあらば吾が渡る
  痛背の河を渡りかねめや

4-0644
今は吾は侘びそしにける気の緒に
  思ひし君をゆるさく思へば


思はれて後に去られる身ともなれば
怨みごとの一つも言ひたくなるわよね
でも 4-0644 は切ない。  自分の命とも思っていた人が
去って行くのを 許すといふこの気持が
↓は片思ひみたい やけっぱち気味

4-0608
相思はぬ人を思ふは大寺の
  餓鬼の後に額づくがごと

戯歌

4-0527
来むと言ふも来ぬ時あるを来じと言ふを
  来むとは待たじ来じと言ふものを


行くって言ってはってても来てくれへんことあんのに
行かん言ふてはんねんもん 待つわけあらへんわ  いけずぅ!

同音を重ねた戯歌は↓にもありますが
↑の歌にはユーモアがたっぷり
拗ねた女性の情景が見えるでしょ?

1-0027
よき人の良しと吉く見て好しと言ひし
  吉野よく見よ良き人よく見つ

しのぶもぢずり

かすが野の若紫のすり衣 
  しのぶの乱れ限り知られず

陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに
  乱れそめにしわれならなくに


初冠の男 陸奥の・・を知らなければ かすが野の・・を
詠ふことは出来ない。このあたりを自ら風雅としている
業平は兄の友人である源融とも懇意であったとか
↓古今和歌集では第四句が異なる。 河原左大臣(源融)


陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに
  乱れむと思ふ我ならなくに

但馬皇女

2-0114
秋の田の穂向きの寄れる片寄りに
  君に寄りなな言痛くありとも

2-0115
遺れ居て恋ひつつあらずは追ひ及かむ
  道の隈廻に標結へ我が背

2-0116
人言を繁み言痛み己が世に
  未だ渡らぬ朝川渡る


↑但馬皇女が穂積皇子(異母兄)に詠った激しい恋歌
↓雪よそんなに降らないでくれ眠っている但馬皇女が寒いではないか

2-0203
降る雪はあはにな降りそ吉隠の
  猪養の岡の寒からまくに

沖つ白波立田山

風吹けば沖つ白浪たつた山
  夜半にや君がひとりこゆらむ


伊勢物語「筒井筒」で妻が詠っている
古今和歌集からの引用です。 万葉集にも類似歌が・・

1-0083
海の底奥つ白波立田山
  何時か越へなむ妹があたり見む


風吹けば・沖つ白波・独り越ゆらむ の語句は
個々に見ると古歌の中では枚挙にいとまがない

小町と遍昭

石の上に旅ねはすれば肌さむし
  苔の衣を我にかさなん

世をすてし苔のころもはただひとへ
  かさねて薄しいざ二人ねむ


春雨物語の天津処女に出てくる 小町と遍昭のやりとり
大和物語ではこうなっています↓


いはのうへに旅寢をすればいと寒し
  苔の衣をわれにかさなむ

よをそむく苔の衣はたゞ一重
  かさねばつらしいざ二人ねむ


大和物語は後撰和歌集から引用しています
小町と遍昭の逸話は楽しい

たのむの雁

みよし野の田の面の雁もひたぶるに
  君が方にぞよると鳴くなる

わが方によると鳴くなるみよし野の
  たのむの雁をいつか忘れむ


良い婿を得るためには、母親も大変です
娘に代ってラヴレターを

みやびを

2-0126
遊士と吾は聞けるを屋戸貸さず
  吾を帰せりおその風流士

2-0127
遊士に吾はありけり屋戸貸さず
  帰せし吾そ風流士にはある


「私を帰すなんて、あなた本当に風流なの?」
「あなたを帰したことこそ、風流ではありませんか」
続きがまだありますが、風流士は相手にしません。

君が行き

2-0085
君が行き日長くなりぬ山たづね
  迎へか行かむ待ちにか待たむ

2-0090
君が行き日長くなりぬ山たづの
  迎へを行かむ待つには待たじ


「迎えに行こうか、待っていようか どうしょう」
「迎えに行こう! 待ってなんかいるもんですか!」
「本歌取り」・・今の世の歌詞だったら盗作ですよね

お話してぇ

3-0236
いなと言へど強ふる志斐のが強語
  このころ聞かずて朕恋ひにけり

3-0237
いなと言へど語れ語れと詔らせこそ
  志斐いは奏せ強語と言ふ


持統天皇と志斐嫗 ジョークのやりとりです。
「私ぁいやだと言うてるのに、あんたが話してくれと
 強要してるんじゃなぁい?」
志斐おばあさん 負けてはおりません。

さりともと

さりともと思ふ心に はかられて
  世にもけふまでいける命か

いにしへの眞間の手兒奈をかくばかり
  戀ひてしあらん眞間のてごなを


浅茅が宿の歌です。 万葉集に眞間の手兒奈の本歌が・・
14-3384
葛飾の真間の手兒奈をまことかも
  我に寄すとふ真間の手兒奈を


勝四郎が妻 宮木の幽霊はさぞや美しかったでしょうね

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ちゃむ

  • Author:ちゃむ
  • 1940.01 生まれ 男性
    この写真は但馬皇女の歌
    人言を繁み言痛み己が世に
      未だ渡らぬ朝川渡る

    をイメージしたものです

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