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伊勢物語(二十六段)

伊勢物語(二十六段)
  むかし男 五条わたりなりける女をえ得ずなりに
  けること と わびたりける人の返ごとに

思ほえず袖にみなとのさはぐかな
  唐土舟の寄りしばかりに


昔 「五條附近に住んでいた女を手に入れることが出来な
かったよ」と嘆きを訴へた男への返事に


思ひがけなく私の袖に港のしぶきがかかってくることよ
異国の舟が寄って来たばかりに


「五條わたりなりける女」は二条の后 高子
男は業平でせう だとすると この歌を詠ったのは 業平の
友人といふことになります

わびたり = 「わぶ」は嘆くの意
唐土舟 = もろこし舟
   ここでは「五条わたりなりける女」を奪った男の意

新古今集には読人不知として出ています
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伊勢物語(二十五段)

伊勢物語(二十五段)
  むかし男ありけり あはじともいはざりける女の
  さすがなりけるがもとに いひやりける

秋の野に笹わけし朝の袖よりも
  逢はで寝る夜ぞひちまさりける


  色好みなる女 返し

見るめなきわが身をうらと知らねばや
  離れなで海人の足たゆく来る


昔 男がいた 逢はうとも逢ふまいとも はっきり言はな
かったが いざとなると やはり逢はうとしなかった女の
ところに歌を詠んで贈った


秋の野の笹を押し分ける朝帰りの袖が露で濡れる以上に
あなたに逢はないで独り寝る夜の方が 悲しみの涙で
一層ひどく袖が濡れる


するとこの風流な女が返しの歌を寄こした

ここには海松藻など生えていない浦だと知らないからか
漁夫は止めやうともせずに足がだるくなるまで通って来る
(逢ふつもりのない私を嫌な女だとも思はないで)
(足げく通ってくることよ)


さすがなりける = いざとなると逢はうとしなかった
ひちまさりける = 「ひず」濡れる
見るめなき = 海松藻(みるめ)
離(か)れなで = 敬遠しないで
たゆく = (足が)疲れてだるくなるほど・・の意

古今集 巻第十三 恋歌三 に次のやうに連続して
出ていますが贈答歌ではありません


  業平朝臣
秋の野に笹わけし朝の袖よりも
  逢はで来し夜ぞ ひちまさりける


  小野小町
海松布なき我が身を浦と知らねばや
  かれなで海人の足たゆく来る

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ちゃむ

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  • 1940.01 生まれ 男性
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      未だ渡らぬ朝川渡る

    をイメージしたものです

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