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伊勢物語(四十九段)

伊勢物語(四十九段)
  むかし 男 妹のいとをかしげなりけるを見をりて

うら若み寝よげに見ゆる若草を
  ひとの結ばむことをしぞ思ふ


  と聞えけり 返し

初草のなどめづらしき言の葉ぞ
  うらなくものを思ひけるかな


むかし男が 妹がとても魅力的なことに気づき
その妹を見ながら歌を詠んだ


若々しいので抱いて寝ると素晴らし思へる若草を他の男が
結んで寝るであらうことを考えてしまふ


と申し上げた  妹の返歌

初草のやうな なんと珍しいお言葉ですこと 私たちは
兄妹なので心に隔てなく兄として大事に思っておりました


いとをかしげなりける = とても魅力的な様
うら若み = 若くみずみずしいので
結ばむ = 結ぶは契るの意も
聞えけり = 申し上げた (妹に対して何故敬語を?)
うらなく = (兄妹なので)心に隔てなく

当時 異腹の妹とは結婚できたが 業平に妹はいない筈
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伊勢物語(四十八段)

伊勢物語(四十八段)
  むかし男ありけり 馬のはなむけせむとて人を
  待ちけるに 来ざりければ

いまぞ知る苦しきものと人待たむ
  里をば離れず訪ふべかりけり


昔 男がいた 別れの宴を開いてあげやうと旅立つ人を
待っていたが来なかったので歌を詠んで贈った


人を待つのが苦しいものだと 今こそ知りました
女が待っている里へは 間をおかずに訪ねていくべきで
あったといふことも 今 思ひ知りました


離れず = かれず  訪ふ = とふ

伊勢物語(四十七段)

伊勢物語(四十七段)
  むかし男ねむごろに いかでと思ふ女ありけり
  されど この男をあだなりと聞きて
  つれなさのみまさりつついへる

大幣の引く手あまたになりぬれば
  思へどえこそ頼まざりけれ


  返し 男

大幣と名にこそ立てれ流れても
  つひによる瀬はありといふものを


昔 男が 何とかして自分に靡かせたひと思ふ女がいた
しかし この男は心の軽薄な人だよ と聞いた女は
ますます冷淡になるばかりで 男に次のやうに詠んだ


大幣が大勢の人の手に引かれるやうに あちこちの女性から
あなたは誘はれています 私もあなたをお慕ひしていますが
とうてい あなたを頼みにすることは出来ません


あいつは大幣だと評判は立っていますが 川に流された幣は
あちこちに漂ひはしても最後には流れ着く瀬があると言ひ
ます 私が本当にお慕ひしているのはあなた一人です


いかでと思ふ女 = なんとかしてなびかせやうと思ふ女
あだなり = 頼みのおけないこと
大幣(おほぬさ) = 引く手あまた の枕詞
   祓い終ると人々が引き寄せ身をなでた後
   穢れを移して川に流す
えこそ = 「え」下に否定の語を伴って不可能の意


古今和歌集 巻第十四 恋歌四 (706 707)
  ある女の業平朝臣を所定めず歩きす
  と思ひてよみてつかはしける
  読人しらず
大幣の引くてあまたになりぬれば
  おもへどえこそ頼まざりけれ

  返し
  業平朝臣
大幣と名にこそ立てれ流れても
  つひに寄る瀬はありてふものを

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ちゃむ

  • Author:ちゃむ
  • 1940.01 生まれ 男性
    この写真は但馬皇女の歌
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      未だ渡らぬ朝川渡る

    をイメージしたものです

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