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伊勢物語(七十三段)

伊勢物語(七十三段)
  むかし そこにはありと聞けど 消息をだにいふべくも
  あらぬ女のあたりを思ひける

目には見て手にはとられぬ月のうちの
  桂のごとき君にぞありける


そこにおられると聞いてはいるが手紙さへ出すことの
出来さうにない女の居るあたりを思ひ歌を詠んだ


目には見えても手に取ることの出来ないといふ
月の中の桂みたいな あなた


元歌は万葉集に出ていますが下の最後の句が少し違ひます
楓 = かつら
単に「君にぞありける」より万葉歌の「妹をいかにせむ」
の方が辛い気持ちが赤裸々に現れてますね


万葉集 巻第四 632 湯原王
目二破見而手二破不所取月内之 楓如妹乎奈何責

目には見て手には取らえぬ月内の
  楓のごとき妹をいかにせむ
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伊勢物語(七十二段)

伊勢物語(七十二段)
  むかし 男 伊勢の国なりける女 またえ逢はで 隣の国へ
  行くとて いみじう恨みければ 女

大淀の松はつらくもあらなくに
  うらみてのみもかへる浪かな


昔 男が伊勢の国にいた女に 再び逢ふことが出来ないまま
隣国へ行くことになった際 逢ってくれない女を男はとても
恨んだので 女は


大淀の松は冷淡でもないのに 浦だけを見て怨みを残して
帰っていく波よ
大淀の松を女(自分)に 波を男に擬(なずら)へ
浦見に怨み 松に待つを懸けている
私が冷淡なわけではなく 私もひたすら待っているのに
あなたは私を怨んで帰ってしまはれるのですね


男が業平 女は斎宮を指していることは
言ふまでもありません
またえ逢はで = 再び逢ふことが出来ず

伊勢物語(七十一段)

伊勢物語(七十一段)
  むかし 男 伊勢の斎宮に内の御使にてまゐいれりければ
  かの宮に すきごと言ひける女 私事にて

ちはやぶる神の斎垣も越えぬべし
  大宮人の見まくほしさに




恋しくは来ても見よかしちはやぶる
  神のいさむる道ならなくに


昔 男が 伊勢の斎宮に 朝廷の御使ひとして参上した時
あの斎宮に仕へる女で 好色めいたことを言った女が
個人的なことで


神様を祭る神聖な垣根をも 超へてしまひさうです
都人(みやこびと)を 一目見たさに


恋しければ 私のところへ来てみなさいよ 男女の仲は神様
が戒めておられる道ではないのですから


ちはやぶる = 「神」の枕詞
斎垣 = いがき 神座の周囲をめぐる神聖な垣

すきごと言ひける女
  この女は 都にいた頃から 男と好色めいた言葉の
  やり取りをしていたのでせうね

「ちはやぶる神の斎垣も」の原歌は万葉集にありますが
万葉集の下の句の方が より激しいですね


万葉集 巻第十一 2663 寄物陳思
千葉破神之伊垣毛可越 今者吾名之惜無

ちはやぶる神の斎垣も越えぬべし
  今は吾が名の惜しけくもなし

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      未だ渡らぬ朝川渡る

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