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梓弓(3)

伊勢物語 (二十四段)

 といひけれど おとこかへりにけり
 女いとかなしくて後にたちて をひゆけど
 えをひつかで清水にある所に伏しにけり
 そこなりける岩に およびの血して書きつけける

あひ思はで離れぬる人をとどめかね
  わが身は今ぞ消えはてぬめる


 と書きて そこにいたづらになりにけり

私がこんなに思っているのにその思ひが通はないで
離れ去っていく人を引止められず 悲しさのあまり
私の身は今にもすっかり消へてしまひさうです


後にたちて = しりにたちて・あとについて
をひゆけど = 追ひ行けど
えをひつかで = 追ひつくことが出来なくて
清水に = 清水の湧く所で倒れ伏してしまった
およびの血して = 指の血で
消えはてぬめる = 死んでしまひさうだ
いたづらになりにけり = むなしくなってしまった
  はかなくなってしまった
  ここでは「死んでしまった」の意
伊勢物語で一番の悲恋かもしれませんね
この種のストリーは近代においても又 外国の逸話や
物語にも見られますが
私は何故か長谷川一夫の股旅映画「雪の渡り鳥」の中の
鯉名の銀平を思ひ出します  あれは片想ひ?

COMMENT

追えば・・・

去る。去れば、追う。
恋の駆け引き?

メソメソするんでない!
指の血で文字なぞ書かれたらよけい怖くて逃げられます。

と、第三者としては言えるのですが、
当事者は溺れちゃうんでしょうね、
悲恋の湖に・・・。

悲恋の湖

男は女の幸せを心から願って自ら消え去り
追ひつけなかった女は力尽きてむなしくなりぬ
2-0115
遺れ居て恋ひつつあらずは追ひ及かむ
  道の隈廻に標結へ我が背
を連想しました
http://kassandra.blog18.fc2.com/blog-entry-9.html

連想

古歌をこよなく愛する不老郎女さんは
何を見ても聞いても、知識の小引き出しからハギレを引き出してつなぎ合わせてしまうんですねぇ~

おばんです。

一人静さんの所から飛んで参りました。
ええと、不躾ですが、『....しめゆえわがせ』は、但馬の皇女の歌でしたかしら?

古歌は好きですが、万葉集はしかと学んだ事がありません。
本すらありません。
歌から浮かぶ情景を絵にするのが好きなだけで...。
あ、額田のおおきみは詠んだ事ります。
これから、気まぐれにお邪魔させて下さいねーっ!

おお、

聴き忘れちゃったわ。
いらつめ様はお名前が読めません。
『不老』=ふろうですか???

連想

古歌の中には次から次へと他の歌を
連想する歌がとても多いんです
特に恋歌に
神が作り給ひしものの中で
恋は最も甘くて切ないものかも (^0^)/

おいずのいらつめ

アゲハさん ようこそ いらっしゃいました
道の隈廻に標結へ我が背
間違いなく但馬皇女の歌ですよ
万葉集 巻第二 に 114 115 116 と連続して但馬皇女の歌があります
標結へ我が背 は 115 です
http://kassandra.blog18.fc2.com/blog-entry-9.html

不老郎女は 「おいずのいらつめ」 です
私の故郷に「不老(おいず)」といふ地名があり
そこから借用しました

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ちゃむ

  • Author:ちゃむ
  • 1940.01 生まれ 男性
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      未だ渡らぬ朝川渡る

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