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痛背の河

万葉集 巻第四  紀郎女の怨恨の歌
4-0643 世間之女尓思有者吾渡 痛背乃河乎渡金目八

世間の女にしあらばわが渡る
  痛背の川を渡りかねめや


もし私が世の常の女であったなら
この川を渡ることを ためらひはしなかったでせう
普通の女なら せっぱつまった時は
自分から川を渡ってでも逢ひに行くでせうに
私にはそれさへも出来ないのです


怨恨の歌 = 恋のうらみの歌  世間の = 世の中の
世間の女(をみな)にしあらば = 世の中の普通の女なら
痛背 = あな背(夫)「あぁ あなた」の掛詞


「川を渡る」と言へば何といっても 2005/08/16 但馬皇女
  人言を繁み言痛み己が世に 未だ渡らぬ朝川渡る

但馬皇女が川を渡ったのは往路か帰路か
両説がありますが「往路」との解釈の方が多いやうです

私は「帰路」をとります
確たる理由なんかなく単なる勘です

往路も川を渡ったには違いありません
逢ふ瀬は夜 逢ってしまったら帰りたくない
でも白々と夜が明けて来た  帰らなければならない
そして早朝の川を渡り帰って来ました
そしてこの歌を詠んだのだと思ひます

「人言を繁み言痛み」との整合は?
闇に乗じて川を渡って逢ひに行き
そしてまた朝もやの立つ川を渡って帰って来た
そこまでしても穂積皇子に逢ひたかったのでせう

それに比べて表題の紀郎女は痛背の川を渡らなかった
渡れなかったのです
理性が働き過ぎたのでせうか
それなのに恨みごとを言っているのですねぇ

COMMENT

目から

鱗かしら。

逢瀬に川を渡る、その姿だけでこの歌を覚えていましたけれど、確かに朝、川を渡ると言ってますね。
この恋人たちは再び逢うことはなかったようですが。

悲恋の二人

但馬皇女と穂積皇子の歌は万葉集に出ている全八首を
載せた積り・・・だけど ・・・漏れてるかな?

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ちゃむ

  • Author:ちゃむ
  • 1940.01 生まれ 男性
    この写真は但馬皇女の歌
    人言を繁み言痛み己が世に
      未だ渡らぬ朝川渡る

    をイメージしたものです

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