スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

あだくらべ

伊勢物語 (五十段)
男も女も互ひに歌を通して浮気を責め合ひながら
愛情を求め合ひその頼りがたさを嘆く


  昔 男ありけり 恨むる人を恨みて
鳥の子を十づつ十は重ぬとも
  思はぬ人をおもふものかは

 といへりければ
朝露は消えのこりてもありぬべし
  誰かこの世を頼みはつべき

 又 昔
吹風にこぞの桜は散らずとも
  あな頼みがた人の心は

 又 女 返し
行く水に数かくよりもはかなきは
  思はぬ人を思ふなりけり

 又 男
行く水と過ぐるよはひと散る花と
  いづれ待ててふことを聞くらむ


 あだくらべかたみにしける男女の
 忍びありきしけることなるべし
二つ重ねるのさへ容易でない鶏の卵を十個づつ
十回重ねるといった至難なことをなし得たとしても
私を思ってくれないあなたを愛することは出来ません


はかないと言はれる朝露でも万に一つ消え残ることも
きっとあるでせう  しかしこの儚い二人の仲を
誰がだうして当てに出来るでせう


風に吹かれて散り易いと言はれている桜 それも去年の桜が
散らずに残っている といった奇跡が起こったとしても
全く頼りにならないのは人の心です


流れゆく水の上に数を書くよりも頼りにならないものは
思ってもくれない人を思ふことです


流れゆく水と 過ぎていく年と 儚く散りゆく桜と
一体どれが 止まってくれといふ願いを聞き入れて
くれるでせう  それと同じように あなたを私の
もとに止め置くことは出来ないのです


互いに浮気をそしり合った男女が互いの目を盗んで
他に情を通じていたことをいふのでせう

恨むる人を恨みて = 浮気者だと言って恨み言を言って
  きた人(女)を 逆に お前こそ と(男が)恨み返して
あだくらべ = 相手の浮気をなじり合うこと
かたみに = お互いに


この章の類歌は以下の通りです

紀友則 (古今六帖)
鳥の子を十づつ十は重ぬとも
  人の心はいかが頼まむ


在原時春 (古今六帖)
散らずして去年の桜はありぬとも
  人の心をいかが頼まむ


柿本朝臣人麿歌集 万葉集 巻第十一 11-2433
水の上に数書くごとき我が命
  妹に逢はむと祈ひつるかも

COMMENT

Please write a comment!


管理者にだけ表示を許可する

TRACKBACK URL

side menu

当ブログの参考資料

歌の復籍 上巻・下巻
著者 梅原猛
集英社
歌の復籍


水底の歌 上巻・下巻
著者 梅原猛
新潮社
水底の歌
文庫本が出ています↓
水底の歌(上)
水底の歌(下)


万葉集(一) 全訳注原文付
講談社文庫 著者: 中西進
万葉集(一)


万葉集(二) 全訳注原文付
講談社文庫 著者: 中西進
万葉集(二)


万葉集(三) 全訳注原文付
講談社文庫 著者: 中西進
万葉集(三)


万葉集(四) 全訳注原文付
講談社文庫 著者: 中西進
万葉集(四)


万葉集(別巻)全訳注原文付
万葉集事典 講談社文庫
著者: 中西進
万葉集(別巻)


文法全解 伊勢物語
著者 雨海博洋
旺文社
伊勢物語


古今和歌集要解
著者 稲村徳
有精堂
古今和歌集要解


新古今和歌集要解
著者 稲村徳
有精堂
新古今和歌集要解


もっとも分り易き 萬葉集の解釋
著者 柴田隆
日本出版社
定價金70錢?
もっとも分り易き 萬葉集の解釋


萬葉集選抄
著者 次田潤
明治書院
定價金壱圓拾錢
萬葉集選抄


大和物語・宇津保物語 他
著者 藤井貞和 大岡信
新潮社
大和物語


源氏物語(一)
石田穣二 清水好子 校注
新潮日本古典集成
新潮社版
(下の写真は背表紙)
古今和歌集要解

最近のコメント

関連リンク

side menu

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

当ブログの参考資料

京都ルルブ
2001年3月版
JTB
京都ルルブ


くわしい解説 小倉百人一首
著者 小町谷照彦
文英堂
小町谷照彦の小倉百人一首


田辺聖子の小倉百人一首
著者 田辺聖子
角川文庫
田辺聖子の小倉百人一首
ここで購入できます↓
田辺聖子の小倉百人一首


絢爛たる暗号
著者 織田正吉
集英社
絢爛たる暗号
文庫本が出ています↓
絢爛たる暗号


小倉百人一首全釈
著者 井上雄一郎
武蔵野書院
井上雄一郎の小倉百人一首


百人一首故事物語
著者 池田弥三郎
河出書房新社
百人一首故事物語
文庫本が出ています↓
百人一首故事物語


上田秋成集
著者 稲村徳
有精堂
上田秋成集


『万葉集』の世界
著者 阿蘇瑞枝・梅原猛・中西進
筑摩書房
『万葉集』の世界


万葉を考える
著者 梅原猛ほか
新潮社
万葉を考える


大和物語・伊勢物語 他
日本古典文学全集
著者 片桐洋一・福井貞助
・高橋正治・清水好子
小学館
(下の写真は背表紙)
日本古典文学全集

プロフィール

ちゃむ

  • Author:ちゃむ
  • 1940.01 生まれ 男性
    この写真は但馬皇女の歌
    人言を繁み言痛み己が世に
      未だ渡らぬ朝川渡る

    をイメージしたものです

ブログ内検索

Powered By FC2 blog

FC2Ad


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。