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つくも髪(2)

伊勢物語 (六十三段)
女はたまらず男の家に行って垣間見るのを男は見つけて
もう一度訪れてやらうとした  女は喜び慌てて家に戻り
男を待つ気持を歌に詠むと 男はあわれに感じてその夜は
女のもとに泊まり心から女に接した


 さてのち男 見えざりければ女 男の家に行きて
 垣間みけるを 男ほのかに見て

百年に一年たらぬつくも髪
  我を恋ふらし面影に見ゆ


 とて出でたつ気色を見て うばらからたちにかかりて
 家に来てうちふせり 男かの女のせしやうに忍びて
 立てりて見れば女 嘆きて寝とて

さむしろに衣かたしきこよひもや
  恋しき人にあはでのみ寝む


 とよみけるを男あはれと思ひてその夜は寝にけり
 世の中の例として思ふをば思ひ 思はぬをば思はぬ物を
 この人は思ふをも思はぬをも けぢめ見せぬ心なむ
 ありける
あの白髪の老女が私を恋しく思っているらしい
私の目にまるで幻のやうに見へてくる
では行ってあげやう


敷物に衣の片袖だけ敷いて今夜もまた恋しい人に
逢はないで寂しく独り寝るのですねぇ


垣間みける = 垣間見る・密かに覗き見る
ほのかに = ちらっと  百年に一年たらぬ = 九十九歳
つくも髪 = 九十九歳の髪
うばらからたちにかかりて = 近道を急いで帰らうとした為
  茨や鋭い刺のある木に引っかかる様子
さむしろ = 粗末な莚・寒しを掛けている
けぢめ見せぬ心 = 老若美醜に拘泥しない心


いやはや業平とは凄い人だったのですねぇ
でもきっと心ねの優しい人だったに違いありません
  金なくも せめてなりたや業平に (不老)

ところで この老女は本当に九十九歳だったのでせうか
いいえ 勿論 歌の上での誇張です
では何歳くらいだったのでせうね

COMMENT

女は

いつまで女なんでしょうかと尋ねると、囲炉裏の灰を火箸でつついて無言で応えたという...あれは何の話でしたかしら。

九十九を祝うのに(白寿)ってありますよね。
実際に見たこと無いから判らないけど、老い方もそーとーなもんでしょう、いっそ神々しいかも。
あの時代、二十歳を過ぎると『紅葉の下葉に異ならず』とされていたようですから、四十は既に初老....物語に残っているんですもん、珍しい逸話なんでしょうね。

このシチュエーションでも

郎女さまは業平に肖りたいと???

犠牲的精神とボランティア精神の権化のようなお方....。

「うえっ、あんな婆、俺、やだよ~」
「イヤーっ!!あんな死ぬのを忘れたよーな爺なんて、冗談でしょっ」
これが当世普通の反応かな。

アゲハ、でもつらつらと考えました。
これは笑い事じゃないんですってね。
某病院の報告ですが、老人に限らず、そうした極めて自然な行為もままならない状況に身を置く方々がいらっしやるとか。

うむむむ、そこまで考えるに至ったアゲハは昨日より偉いかも。

神通力?

木村拓哉が今でもNo1人気とか
せめてなりたや・・は昔も今も・・
「囲炉裏の灰を火箸でつついて」凄いですねぇ
「骨まで愛して」といふ歌はありましたが
灰まで・・でしたかぁ
んじゃ元気なお爺さんは火箸? (Joke)
「紅葉の下葉に異ならず」又一つ勉強になりました
「四十は既に初老」・・また先を越されました
昨夜 明日六日の原稿を書いていたのですが
「この時代 四十代にもなれば・・・」と書いたのです
アゲハさん また覗き見したんですね (^0^)/

キムタクね。

多様な才能を持ってる人のようではありますね。
アゲハはタッキーの方が好きかも。

ところでところで、

さ莚に衣片敷き今宵もや の上の句を見ましたら『我を待つらん宇治の橋姫』の下の句が浮かんできました。
同じようなのが結構あるんですねー。

透視術

アゲハさんには私の心が丸見えのやうですねぇ
「つくも髪」の最後に「我を待つらん宇治の橋姫」の
ことを付記しようかだうか迷った挙句 省略したんです
アゲハさんに事前に見抜かれたのは
これで三度目?四度目? (^0^)/

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