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在原なりける男(4)

伊勢物語 (六十五段)
とは言へ女はただ蔵の中で泣くだけで男に逢ふことは
出来ない  男はやむなく都の外に戻り寂しく笛を
吹きすさび歩きまわるだけで二人は再び相まみれることも
なく終ってしまふ


  かかればこの女は蔵に籠りながら それにぞあなる
  とは聞けど あひ見るべきにもあらでなむありける

さりともと思ふらむこそ悲しけれ
  あるにもあらぬ身を知らずして


  と思ひをり  男は女し逢はねば かくしありきつつ
  人の国に歩きてかくうたふ

いたづらに行ては来ぬるものゆゑに
  見まくほしさに誘はれつつ


  水尾の御時なるべし 大御息所も染殿の后なり
  五条の后とも

今こんなになっている私に何時かは逢へると あの人が
思っているのが悲しいわ
このやうに 生きているとさへ言へないやうな私のことを
ご存知なくて


ただ徒に行っては帰ってくるだけのものだから
尚更逢ひたさに誘はれて また行っては空しく帰って
くることになるのです
かかれば = こんなふうであったので
それにぞあなる = すぐ近くに男がいるらしい
さりともと = ひょっとしたら かうではないかと
  2005/08/09 「さりともと」参照
思ふらむこそ = (男がさう)思ふであらうことこそ
あるにもあらぬ身 = 生きていても いないのと同然の私
女し逢はねば = 女が逢はないので
かくしありきつつ = ありき(歩き) このやうに笛を吹いて
  徘徊し機会を待つも無駄であった・・の意
水尾の御時 = 清和天皇の御世
染殿の后 = 清和天皇の母・明子(あきらけいこ)
五条の后 = 高子の叔母・明子の叔母


この物語では業平と高子の年齢差を全く逆のやうに設定
してある 作者の意図は分かりませんが変って趣向では
あると思っています

桓武天皇系図・藤原不比等系図・紀系図を合せ見ますと
業平・高子・明子・清和天皇・有常・静子・恬子や
行平・源融 等との関係もよく分かり政治的背景も含めて
「伊勢物語」をより楽しむことが出来ると思ひます

系図表示だうも上手くゆきません ゴメンナサイ

COMMENT

古今東西

この感情に身を窶すのは同じなんですね。
今、たまたまアベ・プレヴォーの【マノン・レスコー】を読み直してますが、
『恋よ恋、汝は永遠に知恵とは和解せざるや』
という嘆きの言葉が出てきます。

まったく思案のほか....なんですね。

理性

老いるとこの「恋」とやらを邪魔する奴が「理性」
こ奴がいなければ・・
・・それにしても難しいご本をお読みですね

何をおっしゃる

難しくないのよ~ん♪
騎士グリューのバカかとも思える狂乱に腹を立てずに読み通す粘り強さがあれば完読できます。

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