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老いらく

伊勢物語 (九十七段)
  むかし堀河のおほいまうちぎみと申すいまそかりけり
  四十の賀 九条の家にてせられける日
  中将なりける翁

さくら花散り交ひ曇れ老いらくの
  来むといふなる道まがふがに


桜花よ 入り乱れ散って空を曇らせておくれ
老がやってくるといふ道が分からなくなるやうに


堀河のおほいまうちぎみ = 堀河の大臣・藤原基経
  二条の后(高子)の兄
いまそかりけり = いらっしゃった・「いる」の尊敬語
中将なりける翁 = 業平を指す


古今集 巻第七 賀歌 には次のやうにある

  堀河のおほいまうちぎみの四十の賀
  九条の家にてしける時によめる  在原業平朝臣


桜花散りかひ曇れ老いらくの
  来むといふなる路まがふがに

COMMENT

大好きなこの歌を読むと

吉野の奥千本の花吹雪が眼に浮かぶんです。
息苦しいばかりの花弁の乱舞。
実際には見た事がないのに、おかしいでしょう?
桜は吉野ばかりではないのに。

併せて優美で華やかな詠いかたで、老いるという現象をなんか擬人化しているようで面白いと思ったんです。

年毎に我が哀しみの深くして
     いよよ華やぐ命なりけり
         
               byかのこ

太陽の塔

昨年WEB仲間と数人で万博記念公園へ紫陽花を見に行きました
太陽の塔のそばへ行ったのはほんとに何年ぶりだったか

「いよよ」で思ひ出すのが

  世の中は空しきものと知る時し
    いよよますます悲しかりけり (旅人)

記憶違いしてるかも。

年毎に、ではなく、年年にかもしれません。
アゲハはうろ覚えばっか!

旅人の感慨は現在も同じですね、多分。

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