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狩の使(4)

伊勢物語 (六十九段)
  夜やうやう明けなむとするほどに女がたよりいだす
  杯の皿に歌を書きて出したり  とりて見れば


かち人の渡れど濡れぬえにしあれば

  と書きて末はなし
  その杯の皿に続松の炭して歌の末を書きつぐ


  またあふ坂の関は越えなむ

  とて明くれば尾張の国へ越えにけり
  斎宮は水の尾の御時 文徳天皇の御むすめ
  惟喬の親王の妹


徒歩の人が渡っても裾が濡れない入り江のやうに
浅い縁の二人で はかないお別れですね


一度は別れても また逢坂の関を越えてお逢ひしませう

やうやう = 次第に
明けなむとするほどに = 今にも夜が明けやうとする頃に
杯の皿 = 杯の台  末はなし = 下の句はなかった
  男に下の句を付けさせて男の心を知りたかった
続松 = ついまつ・松明(たいまつ)と同意
水の尾 = 清和天皇  惟喬の親王の妹 = 恬子内親王
伊勢斎宮・恬子内親王の母(静子)は紀有常の妹
紀有常の娘が業平の妻 即ち業平は伊勢斎宮の従姉妹の夫

  かの伊勢の斎宮なりける人の親
 「常の使よりは この人よくいたはれ」といひやれり

母としては姪の旦那だから宜しくと言ってよこしたのです

古今集 巻第十三 恋歌三には次のやうにある

  業平朝臣の伊勢国にまかりたりける時
  斎宮なりける人に いとみそかに逢ひて
  またの朝に人やるすべなくて思ひをりけるあひだに
  女のもとよりおこせたりける  よみ人しらず


君や来しわれや行きけむおもほえず
  夢かうつつか寝てか覚めてか


返し    業平朝臣

かきくらす心の闇にまどひにき
  夢うつつとは世人さだめよ

COMMENT

なんとはなく

流れが似ているのか、

いまや夢 昔や夢と迷われて
     いかに思えど うつつとぞなき

を、つられて口ずさんでしまいます。

記憶力

アゲハさんの記憶力に驚
万葉集・源氏物語・色んな和歌集などの範囲も広く・・
私など連想できる歌は本当に狭い範囲の僅かな歌

・・にしても上の句を与へて下の句を求めるなんて
当時の斯界では日常茶飯事だったのでせうが
下の句如何で歌力が当然試されてもいたのでせうね

そーですね。

詠めなければ、嗜みがない者として軽んじられた時代もあったでしょう。
たとえ詠めても時間を要しては×。
速やかに鮮やかに、然もさりげなくがモットーでしょうね。
床しいこと。

歌こそ現在は無用になりましたけど、何にでも通じていて、ひけらかさない人は一目置かれますものね。

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