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山科の禅師の親王2

伊勢物語 (七十八段)

 いくばくもなくて持て来ぬ この石ききしよりは見るは
 まされり これをただに奉らば すずろなるべしとて
 人人に歌よませ給ふ 右の馬の頭なりける人のをなむ
 あをき苔をきざみて蒔絵のかたに この歌をつけて
 奉りける


あかねども岩にぞかふる色見えぬ
  心を見せむよしのなければ


 となむよめりける


不満足ですが この石で私の心に代えます
親王をお慕ひする心を表面にあらはさうにも
あらはす方法がないので


ただに奉らば = 何もしないで(歌などをつけることも
  しないで)このまま差し上げたら
すずろなるべし = つまらないであらう
  「すずろなる」は興ざめ・風情がないの意
あをき苔をきざみて = 石の青苔を削り取って
  (歌の文字を石に示す)
蒔絵のかたに = 蒔絵模様に
あかねども = 「あく」は満足する
岩にぞかふる = 岩を自分の心の代りとして捧げる
色見えぬ = 色に表れない・表面に出ない自分の心中のこと
見せむよし = お見せする方法
常行は人人に歌よませ給ひて 結局 右の馬の頭なりける人
即ち業平の歌を石の青苔に刻ませた

伊勢物語の作者が何故長々と常行の話をしたのか
理解出来ないまま 七十八段の全文を載せました

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