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天つ空なる人

古今集 恋歌 題知らず 読人知らず

夕ぐれは雲のはたてにものぞ思ふ
  天つ空なる人を恋ふとて


夕暮は格別に雲の果てに向かって物思ひをします
遠い空の彼方にいるも同然のあの人を恋しく思って


天つ空なる人 = 手が届かないほど身分の高い人
そのやうに解釈するのが順当とは思ひますが
現代でも「高嶺の花」と言ふが如く 必ずしも「身分」の
違ひと限定しなくてもいいでせうね
劣等感が強く 自分に自信のない人であれば 男であれ
女であれ 恋する相手は高嶺の花であり天つ空なる人です

素直に「身分」の違ふ人と解釈して詠んでも
それはそれで決して不自然ではありません
そのやうなことを詮索せずに片恋の悲しみに浸りませう


「雲のはたて」を「雲の旗手」と解釈する学者もいます
・・・旗のやうな夕焼け雲がたなびいている・・・
荻原朔太郎といふ詩人ですが この人といひ 斎藤茂吉と
いひ 詩人さんには頑固な人が多いですねぇ

COMMENT

片恋の歌でしたか。

つれづれと空ぞ見らるる想う人天下り来むものならなくに........そんな歌が思い出されますね。

和泉式部

「つれづれと」 は 「夕ぐれは」 を本歌とした歌のやうですね
「天つ空なる人」 と 「天下り来む」 は「天」の用法が
別のやうな気がして・・・

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