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30番 壬生忠岑

有明のつれなく見えし別れより
  暁ばかり憂きものはなし


有明の月が無表情に見へたあの日
あなたもまた冷淡でしたね。 お別れしたあの日から
私にとっては暁が辛いものになりました。


別れより = 別れた日から
ばかり・・はなし = 暁ほど辛いものはない


壬生忠岑もまた三十六歌仙の一人であり
古今集撰者の一人。 41番 壬生忠見の父である。
百人一首では「あ」で始まる歌が17首で最も多いが
「有明」が第一句にくるのはこの1首だけです。

逢ってくれたとはいふものの冷たい態度のあなた
あの時の有明の月も儚く感じられました
あれからといふもの暁になる度に
あなたのことを思ひ出すのです
無表情だったあなたを
この歌は古今集に出ていますが
古今集には次のような歌も選ばれています。

忠岑は冷たい女性に対する切なく悲しい自分を
しんみりと表現するのが上手ですね


明け方の風が吹いて
白い薄い雲が峯に分かれて消へてゆく
私のことなんかもあなたの心から離れ消へてゆくのですねぇ


風吹けば峯に別るる白雲の
  絶えてつれなき君が心か

COMMENT

面白い視点

>百人一首では「あ」で始まる歌が17首で最も多いが

不老郎女さんは歌を楽しむだけでなく、違った角度からも観察されるんですね。

著者によっても

百人一首は解説書の著者によっても解説はいろいろ
どの解説書にもない私だけの解説もあります
好き嫌いもいろいろ  褒める人、貶す人

明日は万葉集の恋歌を載せます
なんてったって恋歌がいちばん

特色

>どの解説書にもない私だけの解説もあります

それがこのブログらしさなんでしょうね。

ユーモア

相聞歌と引用 2005/09/21 の訳も不老郎女の訳
この歌は相聞歌に属していますが
ユーモアたっぷりですね

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