60番 小式部内侍
2005/10/26 (Wed) 08:46
まだふみも見ず天の橋立
生野への道はここから余りにも遠い
大江山は更にその向う
ましてその遥か遠くにある天の橋立へは
まだ行ったことがありません。
母の居る橋立は めちゃ遠いおすやろ?
橋立の地なんか踏んだことおへんえ
それに母からは手紙も貰ってぁしまへんしなぁ
いく野 = 行く の掛詞 踏みも見ず = 文も見ず の掛詞
天の橋立 = 母 和泉式部がいる地であり縁語となっている
母は56番 和泉式部。
私はこの歌が百人一首の中で一番好きです。
自分をからかった男に即興でしっぺ返しをしたこの歌
こましゃくれた小娘が「さぁだうだぁ」と言っている。
ないかとのうわさがあり、ある歌会で藤原定頼(六十四番)に
「歌はだうしましたか? もう丹後のお母さんに
使いは遣りましたか? 心配でせうねぇ」
さう言ってからかはれた。
小式部はその場で定頼を引止めてこの歌を詠んだといふ
この歌は金葉集にあり その詞書には
和泉式部、保昌に具して丹後国に侍りけるころ
都に歌合のありけるに、小式部内侍歌よみにとられて
侍りけるを中納言定頼つぼねのかたに詣できて
歌はいかがさせ給ふ、丹後へは人つかはしけんや
使は詣で来ずや、いかに心もとなうおぼすらむなど
たはぶれてたちけるを引きとどめてよめる

























